厳島神社の管絃祭。
猛暑日が続くなか、強めの雨が降ってきたり
今年の夏もなかなか大変なものでありますが、どうぞ皆さま体調にはお気をつけくださいね!
これから更に真夏に突入していく7月15日、宮島では管絃祭が行われました。
管管絃祭(かんげんさい)とは、旧暦6月17日夕方に行われる厳島神社の祭礼行事です。
日本三大船神事の一つとされています。
(他には、天神祭[大阪府]、ホーランエンヤ[島根県])
この行事は長寛元年(1164)に始まったとされ、毎年旧暦6月17日に行なわれるのはこの日が潮の高さと気候がちょうどよくなる日であり、さらに満月に近いため夜が明るいという日だからです。
平清盛(たいらのきよもり)が神霊を慰めるために始めたという神事。
もともと平安貴族たちが河に船を浮かべ嗜んでいた「管絃の遊び」を清盛が遊びではなく神事として取り入れたのが始まり。
写真は還御のようすを描いたもの。
3隻の船を並べて中央に神輿(みこし)(鳳輦(ほうれん))を載せ、雅楽を奏しながら、夕刻に本土の地御前(じごぜん)神社へ渡り、夜半に還御する。
祭りは夕方ごろより始まるのですが、当時宮島は島そのものが神様であり人が住むことを許されていなかったため、
清盛は御祭神の乗る御座船を造船し篝火(かがりび)や提灯で夜を明るく照らした上で海を渡って厳島神社まで向かっていたそうです。
祭りは厳島で行なわれる「発輦祭[はつれんさい]」を以って始まり、
大鳥居の儀を経て管弦船に御鳳輦[ごほうれん]が乗せられ、
船内で管絃を合奏しながら1時間をかけて対岸の地御前神社に向かいます。
日も落ちてきた途中で停泊する建岩沖で提灯に明かりが灯され、
地御前神社から御迎船が海を渡ってくるのを目印にして管弦船が地御前神社に到着し、奉奏と祭典を行ないます。
この後管絃船は再び宮島に戻り、長浜神社、大元神社でも祭儀と演奏を行ないます。
そして再び大鳥居をくぐり厳島神社に戻ってきます。
最後に船がぎりぎり入れるほどの狭い「枡形」と呼ばれる地域に進み、
御座船は三回旋回しながら管絃を奉奏して祭りはクライマックスを迎えます。
この演奏が終了すると御鳳輦に乗った神様は再び神社に戻り、祭りも終了となります。
今年は残念ながら、御座船による御渡は中止になってしまいましたが
またいつの日か、以前のように華やかに行われる日が来るといいですね。